
「未破裂脳動脈瘤があります。サウナや入浴は大丈夫ですか?」
この質問はとてもよくいただきます。調べた範囲でお答えします。
✅ 基本的には「入浴もサウナもOK」
未破裂の脳動脈瘤があるからといって、サウナや入浴を避けなければならないわけではありません。入浴やサウナが破裂を直接増加させるなどといった明確なデータはありません。
むしろ、実際、医学的にも「毎日入浴する人の方が脳卒中が少ない」とする報告もあります(くも膜下出血は増減無しとされています)。
❗ ただし、以下の点には注意が必要です!
- 熱すぎるお湯・サウナは避ける
- 42℃を超えるお湯や高温のサウナ(90℃以上)では、血圧が急激に変動する可能性があります。
- お湯は38~40℃程度のぬるめが理想。サウナも短時間にとどめる方が無難です。
- 急な温度変化はNG
- 冬場の寒い脱衣所から熱い浴室、またはサウナ後の冷水浴は、血圧の急上昇を招きやすく、お勧めできません。
- 脱衣所や浴室を温め、寒暖差を少なくする工夫をしましょう。
- 長風呂・長時間のサウナも控えめに
- 長時間の高温環境は、脱水や血圧の変動を起こしやすくなります。
- 10分以内で切り上げ、こまめに水分をとりましょう。
📚 医学的背景と研究
- Ukai T et al., Heart 2020;106:732–737(日本の研究)
→ 入浴頻度とくも膜下出血の発症リスクには関連が見られず、毎日の入浴でもリスクの増加は確認されなかった。 - Li et al., J Clin Hypertens. 2022;24:861–869.
→くも膜下出血の引き金となる要因の一つに急激な温度変化があり、特に冷水や高温の入浴が血圧を大きく変動させるため、極端な温度の入浴は避けるよう推奨されている。
✅ まとめ:安心してお風呂やサウナを楽しむために
やっていいこと | 避けたいこと |
38~40℃のぬるめの温度設定 | 熱すぎるお湯(42°C以上)・高温のサウナ |
短時間の入浴・サウナ | 長時間の入浴・サウナ |
脱衣所の温度を適度に保つ | 冬の寒い脱衣所など |
毎日の入浴 | 飲酒後や体調不良時の入浴 |
未破裂脳動脈瘤があるからといって、入浴やサウナを怖がりすぎる必要はありません。
しかし、血圧の急な変化に注意しながら、無理のない範囲で楽しむことが大切です。