前回は脳血管が細い患者さんでは、急性期にはアスピリンとプラビックスの併用が再発予防に有効であるというデータを示しました。
しかし長期はどうなのでしょうか?
上のグラフがその結果を示すデータです。
プラビックスのみの治療に比べて、プラビックスとアスピリンの2種類を内服した場合には3ヶ月を過ぎたあたりから徐々に頭蓋内出血が増えてしまいます。
このため、脳梗塞の患者さんにこの2種類の組み合わせを長期継続するのは特別な場合に限られます。たとえば心臓や他の血管にステントなどが留置されている場合です。こういった場合には、2種類が長期投与されることが多いので、脳梗塞を起こして、しかも心臓にステントが入っている場合には、どちらを重視して治療していくかを専門医同士で相談して決めています。
脳梗塞では、「長期は抗血小板薬1種類」が基本です。
処方の原則、ご理解頂けましたか?
処方の原則、納得です。
吉村先生、わかりやすい解説をいつもありがとうございます。先生の医療に対する情熱と暖かいお人柄が伝わるこのサイトの大ファンです。
さて、私はもやもや病にて脳梗塞を発症、入院時からアスピリンとプラビックスを併用しておりましたが、バイパス手術の予後が良好なため、半年後にはアスピリンのみの服用になりました。長期併用には頭蓋内出血が増加するというデータの裏づけがある訳なんですね。納得です。
しかしこの場合、何故プラビックスではなくアスピリンのみの服用が選択されるのでしょうか?
これから日本は苛酷な夏の到来ですね。どうぞお身体を大切にお過ごし下さい。
Moyaさんへ
どちらか1剤を残すというのが最近の基本ですが、どちらを残すかは患者さんの状態に応じて医師の判断で決めることになります。ご心配なら主治医の先生にご相談されてはいかがでしょうか。
ご経過が良いことをお祈り申し上げます。
Unknown
なるほど。自分にとってもリアルタイムな情報だったのでふむふむ読ませて頂きました。
12月に脳梗塞を発症、ずっとアスピリンだけだったのですが、先月辺りから感覚に違和感があり受診したところMRIでは異常なしだったのですが、念のためこの2剤を飲めということ。それも一ヶ月という期間限定で。それをすぎればプラビックスだけになるそうです。
吉村先生のブログ、いつも更新されるの楽しみにしています。
これからも分かりやすいお話、待ってます^^