ジェネリック医薬品(後発医薬品)について

ジェネリック医薬品というものをご存知でしょうか?
これは後発医薬品の別名で、新薬の特許が切れた段階で他の製薬会社が同じ成分で作る薬のことを指します。皆さんも調剤薬局で、「ジェネリック(後発品)に変更されますか?」と尋ねられたことがあるのではないかと思います。
ジェネリック(後発品)にすると値段が安くなるのですが、「変更するのが怖い」、「知識がないのでよくわからない」といった声もありますので、ここで少し説明したいと思います。

「ジェネリック」というのは薬の成分の一般名(generic name)に由来しています。つまり、ジェネリック医薬品は主成分が新薬と同じものであり、効果や副作用も同じはずです。ただ、成分が微妙に違ったりコーティングが違ったりすることがあるため、全く同じとは言いがたいところもあります。こういったことからジェネリックを嫌うドクターもいます。ジェネリックにしたら副作用が出て、元の薬に戻したら直ったといった症例も報告されているからです。ただ、こういったことは比較的まれです。

厚生労働省は医療費抑制のためにジェネリックの普及を進めています。というのも欧米に比べて日本ではその普及率が低く20%程度にとどまっているからです(欧米の普及率は60%以上)。ジェネリックを普及させると、医療費が1兆円も抑制できるという試算もあります。

一方、反対意見もあります。製薬会社は新薬の開発にかかった巨額の費用を新薬の販売によって回収します。また、そこから得られた利益を基に別の新薬を開発します。ですから特許の有効期間中、他社はジェネリックを販売できないようになっているのですが、特許が切れた後も、ジェネリックをあまり普及させると製薬会社の弱体化を招くという見方です。
一つの事柄も、立場によって見方が変わる典型例だと思います。

さて、最近、患者さんから
 ジェネリックをどのように処方してもらったらいいかわからない
 ジェネリックを処方されたが不安である
 ジェネリックにしてから調子が悪い
などの相談を受けることが増えてきました。
こういった場合には、処方を行った担当医や調剤薬局ですぐに相談されることをお勧めします。
ジェネリックにしても値段がほとんど変わらない場合もありますし、先発品を優先すべき場合もあるからです。

「薬は医者におまかせ」とばかり言っていられない時代になっています。
自分や家族が内服する薬に関して正しい知識を持つことはとても大切です。

コメント一覧

  1. j より:

    Unknown
    今回も有益なトピックをありがとうございます。

    沢山のお薬が承認され、次々と利用できるようになる一方、多くの方、特に十分な情報を得ることができない人々にとっては薬による副作用などの問題をはじめ、恐ろしい問題も様々にあると思います。

    いつだったか「結果がすべて」というようなことを書かれていらっしゃったと覚えておりますが、

    医師の方々にどこの、どういう経験があるとかは患者さんにとってはどちらでもよいことでその人自身の状態を「知りたい」だけだと思います。

    社会的弱者と言われる人々の苦しみを垣間見るにつれ、自身の経歴を振りかざす診療ではなく、先生のように尊い志をもつ治療家の方々に出会えることをいつも願っております。

    とりとめのない無駄話を失礼致しました。

  2. Unknown より:

    Unknown
    ジェネリックにしたら副作用が出て、元の薬に戻したら治った。その反対もあるのでしょうか

  3. 吉村 より:

    Unknownさんへ
    その反対はあまり経験がありませんね。まずジェネリックを出すようになるとそういった可能性もゼロではないかもしれませんけど。

  4. Unknown より:

    Unknown
    なるほどですね。答えにくいようなことを聞きましたね。それでも返答ありがとうございます