レジデントデー


先週、帰国した翌日に大阪に行きました。
国立循環器病センター主催のレジデントデーに参加するためです。
センターはこの4月に独法化し、「国立循環器病研究センター」という名前に変わりました。
更なる活性化を目指して、レジデントを増やしていくということで、今回第一回のレジデントデーが開催されました。
心臓血管外科、循環器内科、脳血管内科、脳血管外科、そして麻酔科からレジデントのOBが一名づつ選ばれて講演をしました。
なんと、その栄えある第一回の演者に選んでもらえたのです。

なぜ歴代の大勢のレジデントの中で自分が選ばれたのか?
それはおそらく自分がレジデントの頃から考えると「予想以上に」活躍しているからかな?と考えて、講演をしました(^^)
演題は「NCVCレジデントのすすめ」です。
NCVCとはNational Cardiovascular Centerの略で、この4月からはNational Cerebral Cardiovascular Centerと「Cerebral: 脳」の名前が入ったそうです。
この演題は実は自分がレジデントを卒業した1994年の年報への寄稿文と同じ題名です。

NCVCは全国からいろいろな大学や病院から大勢のレジデントとスタッフが集まっています。
このため非常に色々な経験ができます。
自分がいた施設で「常識」と思っていたことが、別の施設では「非常識」とされていることもあります。
たとえば、自分がNCVCにいたころ「傷口をきれいに縫えないものには手術はさせない」という掟がありました。
この精神は現在でも大切にしています。
私たちの施設では傷をきれいに縫うだけでなく、全く髪の毛を剃らない「無剃毛」で手術をしているぐらいです。

しかし関東からNCVCに来た先生が、傷をホッチキス(ステイプラー)でとめて、騒ぎになったことがあります。
最初は「なんていい加減な先生なんだ!」と言われましたが、その後、吸収糸による埋没方法と組み合わせれば傷が非常にきれいであることが分かり、半年後にはステイプラーが主流になりました。
「患者さんの傷をきれいに処置する」という精神が重要なのですから、その方法は何でもいい筈です。
多施設から医師が集まって仕事をするため、NCVCはこのような手術法・管理法の変化に限らず、色々な分野で新たなチャレンジがされており、常に刺激に満ちています。

自身がトレーニングを受けたナショナルセンターで栄えある第一回の講師をさせて頂いて感無量です。
わが師匠の橋本信夫先生は、現在NCVCのトップである総長(兼 理事長)ですし、先輩だった飯原弘二先生が脳神経外科部長になられています。
当日は菊池晴彦先生(名誉総長)、山口武典先生(名誉総長)を含む多くの有名な先生方が出席されていました。自分は現役のレジデントの先生達とレジデントを目指す先生達に向けて、楽しく、くだけた内容のスライドを準備していたので、「大丈夫かな?」と少し不安に思いましたが、思い切ってそのまま発表しました。幸い幹部の先生方からも「非常に面白かった」と言って頂き、ほっと胸を撫で下ろしました。
こんな機会を頂いたことですし、先輩・後輩に恥じぬよう今後も一層頑張らなければ!と思います。

NCVCレジデントに栄光あれ!