昨日はテレビ東京さんの取材を受けました。
当科からは急性期脳梗塞治療の話題が紹介されますが、リハビリ科(道免教授)からは新しいリハビリ法が紹介されると思います。
31日の夜、23時からワールドビジネスサテライトで放送されます。
もしお時間が合うようでしたらご覧になってください。
脳卒中に関する専門医の本音トーク 最新情報をやさしく解説します
昨日はテレビ東京さんの取材を受けました。
当科からは急性期脳梗塞治療の話題が紹介されますが、リハビリ科(道免教授)からは新しいリハビリ法が紹介されると思います。
31日の夜、23時からワールドビジネスサテライトで放送されます。
もしお時間が合うようでしたらご覧になってください。
拝見しました!
関西での先生のご活躍ぶりは、このブログを通じてしか、
私には分かりませんでしたので、TVで拝見できて良かったです。
関西の患者さんとも、すっかり馴染んでいらっしゃいますね。
快復された患者さんの診察は、先生も嬉しいですよね。
画面越しでも、よく伝わって来ました。
関西には「日にち薬」という言葉があるそうですね。
先日はじめて聞いたときは、意味が分かりませんでした。
先生はきっとご存知だと思いますが、温もりを感じる言葉ですね。
リハビリ科の先生
珍しい名字ですね
最先端治療がもたらす「希望」
先週放送された「ワールドビジネスサテライト」
特集「治る! 最前線」「第31回 脳卒中で命を落とさないために」の録画を、
拝見することができました。
お見逃しになった方々に、
患者さんの救命・快癒を第一に考え、最新治療を進めていらっしゃる先生方のご活躍を
お知らせしたいという思いで、またまた僭越ではありますが、
内容の一部を紹介させていただければ幸いです。
*
「命は助かったけれども、体が動かない。寝たきりになってしまう。
そこが一番怖いところです。」
という吉村先生のお言葉が、今回の特集のリード文となっています。
約134万人の脳卒中の患者さん、
その多くの方々が、一命を取りとめてもマヒなどの後遺症が残り、不自由な生活を
余儀なくされている現状――
脳卒中の主な原因は、高血圧・糖尿病などの生活習慣病で、喫煙も発症のリスクを
高めることが指摘され、
「脳卒中から命を守るためにはどうすればよいか、治療の最前線を追う」
というコンセプトのもと、次の3症例とその治療方法が紹介されています。
*
● くも膜下出血
東京慈恵会医科大学附属病院
患者30代男性
頭痛のため診察を受けて脳動脈瘤が見つかった患者さんが、くも膜下出血を防ぐための
治療として受けるのは、【生体反応コイル治療】。
表面に血管の細胞に反応する特殊な薬剤が塗られている「生体反応コイル」を、
足の付け根の血管から瘤のある脳の血管へ挿入する治療方法で、
「薬剤が血管の細胞に反応すると、かさぶたのような組織ができ、瘤の中に血液が
流れないようになるしくみ」とのこと。
薬剤のついているコイルを用いることで、従来の再発率10パーセントが 7ないしは
8パーセントに。
「この治療方法の一番のメリットは、再発を減らすことができることです」と、
村山雄一先生が、穏やかな口調ながら、確信をもって語っていらっしゃいます。
*
● 脳梗塞
兵庫医科大学病院
患者70代男性
この患者さんが受けたのは、【脳血栓回収療法】(Penumbra)。
これは、直径約2mmの細い管を足の付け根から脳の血管に挿入し、
「血の塊を掃除機のように吸い取る」治療方法。
発症して8時間以内であれば、この血管内治療が可能です。
「ああ取れた、取れた。すごいね」
という治療中の吉村先生の弾んだお言葉が、
「(獲物が)とれた、とれた」と聞えてしまうほどの成果・・・
実際に、この治療によって、「大切な血管」に詰まっていた<大量の>血の塊が
吸い出されています。
4ヶ月前に発症した患者さんの治療前と治療後の検査画像が並べて映し出されますが、
治療後の画像に見られる血管の、何と<力強い>ことでしょう。
血管内治療の<劇的な効果>に、圧倒されるような思いです。
十指を思う存分動かしながら「なんぼでもできる」と語る
患者さんのまどやかな関西弁に、
吉村先生が兵庫医科大学病院にご転任なさったことを、改めて認識させられます。
「早く血の巡りを戻してやれば、脳細胞は死なずに生き返る。」
「言葉も話せない方が、カテーテルで詰まったところを通すと、30分や1時間で
元通りになる。」
「(異変が感じられたら、一刻も)早く病院に行ってほしい。」
と、早期の診療を促す吉村先生の力強いお言葉が続きます。
*
● リハビリ
兵庫医科大学病院
患者60代男性
5ヶ月前に脳卒中で倒れた患者さんが受けるのは、【ハイブリッド CI 療法】。
頭に電極を取り付け、微弱な電気を流しながらリハビリを受ける療法です。
マヒが起こるのは、脳の神経が損傷し、脳からの信号が手足に伝わらないためであり、
「電気を流すと損傷した脳が活性化し、この状態でリハビリをすると、
新しい神経回路の形成が促進される」のだそうです。
マヒした手だけを使って、物をつかむなどの動作を1日5時間、10日間続ける療法の
過程で、この患者さんは、4日目に効果を感じたとのこと。
「最初の頃は持つのがやっとだったのに、腕が50センチも上がるようになった。」
「今までできなかったことができるようになって、希望を持つことができた。」
適切な治療によって回復を実感できることは、まさに「希望」という美しい言葉で
語られるのですね。
兵庫医科大学では、マヒが中程度という10人の患者さんにこの治療をおこない、
全員に効果が見られたとのこと。
「欧米の研究で10%くらい効果が上がったと言われており、私たちもそのような
効果を出せるものと考える」と穏やかに語る
道免和久先生のお言葉から、精力的にこのリハビリ治療を進める覚悟が伝わってきました。
*
特集コーナーの結びで、
「脳卒中は、治療は進んだが寝たきりの一番多い病気である」という
小谷真生子キャスターの言葉を受けて、コメンテーターの市川眞一氏が、
次のようにまとめています。
「2010年9月に厚生労働省がおこなった『病院等における必要医師数実態調査』に
よれば、不足している医師は全診療科で平均 14、4パーセント。
そのうちリハビリ科医が 28、5パーセント、ドラマなどで脚光を浴びている救急医が
27、5パーセント不足しています。」
すなわち、リハビリに携わる医師が、全診療科の中で最も不足していることを受け、
「最先端治療がおこなわれている今、一命を取りとめた後の対応が重要である」、
「抜本的に診療報酬の改訂をおこなうことで、医師の偏在の改善を図るべきである」
との言葉が続けられ、
脳卒中の患者さんの 7 、8割に、何らかの障害が残ることから、リハビリのニーズの
高さが再確認されて、特集コーナーが閉じられます。
* * *
ところで、
「安全な手術を目指して、日々さまざまな改良が行われている」事例として、
「岐阜新聞」2014年2月3日(月)朝刊「教えてホームドクター」欄に、
吉村先生による記事「術中モニタリング」が掲載されていました。
「手術中にまひを確認できればどんなに良いか!」と思っていらっしゃったところ、
「術中に患者さんの神経症状をモニターできる」新しい機械が開発されたとのこと。
「頭などに電極をつけて、手術中に電気刺激をして反応を確認」し、
「モニターで良い波形が出る状態にしてから手術を終了」することで、
「脳手術の安全性がグンと高まる」のだそうです。
命を救済すべく全身全霊で臨みながら、同時に、安全で障害の残らない手術をめざして
日々精進なさっていらっしゃる、
先生方はじめ医療関係者の皆様に、心よりの感謝と敬意を表します。
今日の日もまた、お一人おひとりの患者さんが、救命され、
快復に向けて「希望」を持つことができる一日でありますように――。
番組は観ていませんが
先導して整えること。…すごいなぁ