未破裂動脈瘤の治療法選択ー血管内手術(近未来編)


今回は動脈瘤塞栓術の近未来編 その1です。
前回お話ししたようなバルーン併用でも対処できないケースがあります。
非常に広いネックを持つ動脈瘤の場合には、バルーンをしぼませるとコイルが出てきてしまうのです。
このため何らかの「支え」が必要です。
この「支え」になるのがステントです。
上の図に示したように、バルーンでコイルが出てきてしまうようなケースでも、ステントを併用するとうまく治療ができます。

     

私自身も、この方法しか治療ができない患者さんに対して心臓の動脈(冠動脈)用のステントを使って治療したケースがあります。
見事にうまくいった症例もあれば、心臓用では固くて、目的のところまで挿入できなかったケースもありました。
しかもこれは保険診療外(!)なので、病院が負担するのです。だから普通には使えません。
一本何十万円もするんですよ、ステントって。知ってましたか?
あんな小さな金属と風船が!いくら何でも高すぎると思うのは私だけでしょうか …。

     

でもアメリカやヨーロッパでは動脈瘤塞栓用のステントがすでに使われているんですよ。
去年のアメリカ見学で実際に見てきました。
自分で広がるタイプ(自己拡張型)のステントですから血管を傷つける心配も少ないのです。
日本では治療不可能な形状の動脈瘤がステント併用で治療されていて、ドクターたちもいい結果に満足げでした。
自分は正直ショックを受けました。アメリカがうらやましいです。
日本でも早く使えるようになるといいですね。

コメント一覧

  1. H.Y. より:

    Unknown
    アメリカが羨ましいと思うのは患者側、医者側双方の想いですね。私も日本でも早く普通に使えるようになって先生に助けて貰える患者さんが一人でも増えると良いなぁと心からそう思います。

  2. F.F より:

    ステント
    いつも読ませていただいています。ステントって何ですか?

  3. ステントくん より:

    脳動脈瘤
    親戚が未破裂の脳動脈瘤の手術でステント手術
    を行う予定ですが、日本での第一人者がいる
    病院はどこですか?