破裂脳動脈瘤のコイル塞栓術


破裂脳動脈瘤をコイルでつめるイメージがわかないというご指摘を受けました。

動脈瘤が破裂している最中は、もちろんどんどん動脈瘤の外へ血液が漏れています。しかし出血がしばらく続くと、動脈瘤の外側(脳側)の圧力も上がってくるため、徐々に止血されてきます。つまり動脈瘤が破裂してもほとんどの場合、一旦止血します。

破裂点はかさぶたのようなもので、ふさがれます(上図左)。この状態で落ち着いてしまえば問題ないのですが、いずれはこのかさぶたのようなものが外れて出血(再破裂)することが多いのです。この再出血が致命的となることが多いため、その前に止血処置、すなわちコイリングやクリッピングを行うわけです。

ですから破裂動脈瘤とは言っても、治療する時には未破裂と同じように単なる袋になっているため、未破裂と同じように詰めることができます(上図右)。

ご理解頂けたでしょうか?

コメント一覧

  1. MRK より:

    理解しました!
    そんなに短時間でかさぶたのようになるとは思いもよりませんでした。
    学会でお疲れのところ、丁寧にご教示くださりありがとうございました。
    先生の姿勢に週末来日したジョニー・デップが彷彿とします。ハリウッドスターながら、深く腰を落とし一ファンにも目線を合わせて応じる姿に、ファン想いの人柄の良さが滲み出ています。やはり先生を彷彿させますね。彼は本国で『ファンへの態度が丁寧な俳優1位』にも選ばれているのだそうです。知りませんでしたが…。
    話がずいぶん逸れました、申し訳ありません。

  2. MRK より:

    脳動脈瘤破裂予測!
    「脳動脈瘤破裂を予測する技術が開発された」と数日前のニュースで見ました。
    従来30日かかっていた予測計算が6日に短縮されたとのことで、こんなシステムがあったなんてビックリです。破裂が予測できたらいいのになと、漠然と願ってはいましたが…。
    患者への適用も検討しているとありました。技術はどんどん進歩しますね。待ち遠しいです!

  3. 横田みゆき より:

    破裂動脈瘤コイル塞栓後
    経過観察のカテーテル検査で、瘤のら入り口が膨らんできていることがわかりましたと言われました。来月もMR Iを行うそうです。この状況は、シビアな状況なのか、のほほんとしてて良い状況なのか判断出来ずに一人悶々としています。どのような心構えが必要か、アドバイス頂けますと幸いでございます。

  4. 横田みゆき より:

    結果報告
    こんにちわ。先日前出でコメントをさせて頂いたものです。一昨日前に医師から結果をうかがいました。カテーテル後にMRIを行ったのは、カテーテルで写ったコイル塞栓あとに造影剤が侵入している形跡があったが術後何度か行ったMRIにはその形跡が認められなかったため、再度行ったということでした。結果、やはりMRIでは血流(?)の形跡は認められないが、カテーテルの結果は無視できないので、治療(手術:コイルの追加)か経過観察してゆくか選んでほしい、とのことでした。私の破裂動脈瘤には細い血管が通っており、前回くも膜下出血での手術では、其の血管をふさぐことがないようにコイル塞栓したそうです。今回はその避けた部分に血流が入り、再びくも膜下出血を起こす可能性があるそうです。1か月後再びMRIを取ります。それまでに先の2択から決めてほしいということでした。今は身体的に何も問題がないので、「手術」という選択肢は無いと考えてます。