【Q】なぜ私は脳動脈瘤ができたのでしょうか?頭を何年か前にぶつけたからでしょうか?
【A】「どうして自分に脳動脈瘤ができたんだろう…」
そんな疑問や不安を抱かれる方はとても多いです。そして、「昔、頭を強くぶつけたことがあるから、それが原因でしょうか?」というご質問もよくいただきます。
まず結論からお伝えすると、過去に頭をぶつけたことが直接の原因で脳動脈瘤ができることは、ほとんどありません。
重度の頭部外傷が原因となって、特殊なタイプの脳動脈瘤(解離性脳動脈瘤という)ができることはありますが、多くは受傷後に意識障害を伴うような重度の場合に認めることが多く、しかも受傷後、数時間から数日といった短期間で形成されます。したがって、何年も前の頭部打撲が原因で、動脈瘤ができてくるということは、極めてまれなのです。
では、なぜ脳動脈瘤ができるのでしょうか?
実は、はっきりとした原因が分かっているわけではありませんが、いくつかの「なりやすい条件」が知られています。
- 脳動脈瘤ができやすくなる要因
- 加齢:年齢とともに血管の壁が弱くなります。
- 高血圧:血圧が高いと、血管にかかる圧力が増え、負担になります。
- 喫煙:タバコは血管を傷つける代表的な要因です。
- 遺伝的な体質:ご家族に脳動脈瘤のある方がいると、リスクがやや高まります。
- 女性であること:女性ホルモンの影響も関係すると言われています。
これらの要因が組み合わさって、長い年月をかけて少しずつ血管が弱くなり、徐々にふくらみができてくる──それが脳動脈瘤です。ですので、「何か悪いことをしたからできた」「ぶつけたからできた」ということでは決してありません。
★必要以上に心配しないで、前向きに考えましょう!
動脈瘤が見つかると、「どうして自分に…」「あれをやめていれば防げたのでは…」と悩んだり、不安が強くなって外出や活動を控えるようになる方もいらっしゃいます。でも、多くの脳動脈瘤は症状がなく、検査をしなければ見つからないのが現実です。ですから、見つかったことは“悪いこと”ではなく、“大きな予防のチャンス”と考えてください。
これからどう過ごしていくか、何に気をつけていけばいいかを、私たちと一緒に考えていくことが、何より大切です。ご心配であればいつでも連絡してきてください。