脳動脈瘤 その7 脳動脈瘤の種類(成因による分類) 血栓化動脈瘤


みなさん、こんにちは。
今回は、脳動脈瘤の中に血のかたまり(血栓)が形成されている「血栓化動脈瘤」について紹介します。
動脈瘤は破裂することでくも膜下出血を起こし症状を出します。ですから、破裂しなければ安全と考えられます。
従って、動脈瘤の壁に血栓ができてしまえば、壁を内側からガードすることになるわけですから、安心すべき状態のように思えます(図左)。
しかし分厚い血栓が短時間のうちに溶けて、動脈瘤の壁が露出し、破裂することもあります(図右上)。また動脈瘤が徐々に大きくなって、周囲の脳神経や脳を圧迫して症状を出すこともあります(図右下)。
特に椎骨脳底動脈という血管にできる大型・巨大血栓化動脈瘤の自然歴は極めて不良とされていて、5年以内に重篤な神経症状を出すか死亡することが多い(80-100%)とされています。
血栓がなぜ動脈瘤の中にできるかは、まだよくわかっていませんが、一旦血栓化すると、その中に小さな出血を繰り返し、大型化していくことが多いとされています。
ではこういった動脈瘤をどう治療したらいいのでしょうか?
実は血栓化大型動脈瘤の治療は非常に難しいことが多いのです。治療ができても合併症が多いことも知られています。
血栓化大型・巨大動脈瘤にどう立ち向かったら良いのか?
このブログでいずれ紹介したいと思います。

コメント一覧

  1. より:

    Unknown
    一度先生に診て頂いたものです。ブログもいつも拝見させて頂き、勉強しています。さて、質問なのですが、動脈瘤のなかでも内頸動脈c2部にできる眼動脈瘤から少し離れている上向きの瘤は全て血豆状と言われる動脈瘤と考えてよいのでしょうか⁉️お時間があるときご回答頂ければ幸いです。

  2. 吉村 より:

    衣さんへ
    コメントありがとうございます。血豆状動脈瘤についても近々紹介する予定です。今しばらくお待ちくださいね。