Kさんの質問の続きです。
「3)私の友人が脳動脈解離という病気になり、入院しました。とくに手術は受けずに様子を見ているようですが良いのでしょうか?」
脳動脈解離というのは脳血管の壁がはがれることを言います。はがれる時に痛みを伴うことが多いことが知られています。
さて、壁がはがれて内側に膨らむと、血管が細くなります(狭窄型)。高度になると血管自体が詰まってしまったり脳梗塞を起こすことがあります。
一方、外へ膨らみ、破裂して出血するタイプもあります(動脈瘤型)。こちらは命に関わるほどの重度のくも膜下出血を起こします。
従ってこれらのどちらのタイプなのか、あるいは解離は起きていても程度が軽くて、どちらも起こさないタイプなのかを見極めることが重要です。
この動脈解離という状態は、起こしてすぐの状態が最も危険で、徐々に落ち着いてくることが知られています。発症から2週間程度経過すると、壁が安定して直ってくるのです。このため、破裂さえしなければ、そのまま様子を見ることがほとんどです。
ご相談頂いたケースはおそらく脳梗塞型か、無症状型だと思います。従って、様子を見ていればいいのです。
ありがとうございます
脳動脈解離というキーワードで調べて、自分なりに分かったつもりでしたが、今回の頭蓋でとても良く理解できました!ありがとうございました。
Unknown
一昨年、ひどい頭痛で目が覚め1時間後には半身が痺れました。そのまま搬送され診断結果は動脈解離による脳梗塞でした。
先生の説明、とてもわかりやすいです!当時の私や家族は理解できてるような、そうでないような。
こういう説明をして頂けると納得です。
解離の発生時点
最近の疑問の一つ「なぜ動脈解離が椎骨動脈に多いのか」を偶然TVで観ました。出演された医師によると、くびを回したり、ひねったり、咳やくしゃみ、美容院のシャンプー台など日常の行動で起き得るのが「椎骨動脈解離」で、外部からの衝撃で血管壁が裂けるので「病気というよりはケガに近い」という解説でした。そんなこと知りませんでした。今まで知らずにやってしまっていた「うつ伏せ寝」はもう封印します。
私の小型の解離性瘤もくびのひねりが原因かもしれませんね。関係ないと思っていたので先生には話していなかったのですが「7年前、フラッと来たあと、座ってもいられないくらい気持ち悪くなり、横になったら天井がグルグル回った」ことが一度だけありました。頭痛はありませんが、「解離の発生時点」とやらだったのかもと最近思うようになりました。翌日には回復しましたが、念のため近所の病院でMRIを撮りました。
「これで血管も判るんですか?」と尋ねたところ、担当医からは「腫瘍はないですね」という返答でした。
「腫瘍ですか?血管じゃなく?頭に問題があるとすれば、血管のような気がするんですが…」
結局、私の勘は当たっていたんですね。今思えばMRAを撮らなくて良かったです。7年前に動脈瘤を発見しても、吉村先生を受診する術はありませんでしたから…。
私は思い込みが激しい方で、何かと自分で結論を出しがちですが、解釈が間違っていたらどうぞご指摘を!