今年の日本脳神経外科コングレス総会の文化講演は星野仙一さんにお願いしました。
私たち脳神経外科医は後進の指導をはじめ,「教える」機会がとても多く,若手の先生であっても周辺スタッフに「教える」必要がしばしば生じます。しかし「教育」のスキルは一朝一夕に身に付くものではなく,私自身,「どうしたら上手く教えられるのだろうか」と悩みながら,これまで体当たりでやってきました。
そこで今回の文化講演では,教育する立場の方をお招きしたいと考えました。講師の人選を考える中で,私たち脳神経外科医とスポーツ選手,とりわけ野球選手のキャリアパスには似通った部分があることに気付きました。
私たちは医学部卒業後,先輩方の指導を受けながら脳神経外科医としてデビューし,徐々に経験を積んでエキスパートとなり,やがて指導者となります。一方,野球選手は球拾いや素振りの基礎練習から始まり,プレイヤーとして活躍した後,コーチや監督になります。基礎固めや技術の伝承など,本当に似ているところが多いと思います。
では「優れた野球の指導者はだれか?」と考えた時,私たちの脳裏に浮かんだのは星野仙一さんでした。名監督と呼ばれる方は多くおられますが,中日,阪神,楽天と3球団を優勝に導いた星野さんの「野球人生」は,私たち脳神経外科医にとっても大きな参考になると考えました。また,「燃える男」として知られる星野さんの熱いメッセージが,皆さんの大きなパワーになることを期待しています。
(図、文章ともにCongress Previewより引用)
Unknown
おこがましいですが音楽の世界も似ているような気がします。
体つきが十人十色なようにひとつのことでも10通りの教え方が必要だなあと思います。
そしてあまりにも上手く伝わらない時は自分が演奏するほうが断然らくだなあと…U+1F605