脳動脈瘤 その36 脳血管内治療:その6 動脈瘤治療のテクニック


前回、動脈瘤に対するコイル塞栓術を紹介しましたが、この治療が行いやすい場合とそうでない場合について説明したいと思います。

この治療に最も大きく影響する要素の一つは、「動脈瘤の入り口の広さ」です。この入り口のことを私たちは「ネック」と呼んでいます。
上の図をご覧ください。同じサイズの動脈瘤であってもネックが狭いとコイルがうまくおさまりますが、ネックが広い場合にはコイルがはみ出だしてしまいます。このため、当初はネックが広い(ワイドネックな)場合には血管内治療の適応外とされ、開頭手術が行われてきました。
しかし、ネックが広い動脈瘤に対しても血管内治療が行えるよう、さまざまな工夫や新機器が編み出されてきました。

その代表的なものを紹介します。

 1. ダブルカテーテルテクニック
 2. バルーン併用コイル塞栓術
 3. ステント併用コイル塞栓術
 4. フローダイバーター留置術
 5. パルスライダー併用コイル塞栓術
 6. W-EB留置術

こんなに色々あるのですよ!

次回からはこれらのテクニックについて説明していきたいと思います。

コメント一覧

  1. mayumi より:

    Unknown
    先生こんばんは。
    あれだけ広くて首がない状態だと
    クリッピングも大変そうですね…。
    でも、色々と方法はあるのですね。
    その方法一つ一つが先生達のように
    日々患者さんと向き合いながら
    症例をこなし、経験を積み上げながら
    勉強や、研究をし実践し、論文にし…。
    本当に大変な世界ですね。
    終わりがないというか、どこまでも追求し
    答えを模索していく。
    日進月歩ですね。
    ありがとうございます。
    これからも、頑張って下さい。
    陰ながら応援しております!
    あっ、続きも楽しみにしております。