「慢性的な頭痛がつらい…」
「薬を飲んでもなかなか良くならない…」
そんな方に、将来 新しい治療の選択肢になるかもしれない方法が、いま研究されています。
それが中硬膜動脈塞栓術という血管内治療です。
✅ どんな治療?
脳の表面をおおう「硬膜」という部分に血液を送る
中硬膜動脈(ちゅうこうまくどうみゃく)という細い血管があります。
この血管を、カテーテル(細い管)を使って詰める治療が 中硬膜動脈塞栓術 です。
手首などの血管から細い管を入れ、この血管をコイルで血管を詰めます。
→ 傷は注射程度の大きさで、コイルを使えば相当安全性が高いと考えられます。
✅ なぜ頭痛がよくなるの?
硬膜の血管と頭痛を感じる三叉神経(さんさしんけい)はとても近くに走行しており、
この部分が刺激されると 頭痛の原因になると考えられています。
「中硬膜動脈をふさぐことでその刺激が減り、頭痛が軽くなる」という仮説があります。
実際、私が今回参加したBNS 2025 (韓国、釜山)でもアメリカのProf. A. Siddiqui先生が、
- 長く続く薬剤抵抗性の頭痛の患者さん10名が、この治療を受けた後、
症状が完全に改善した
と報告されていました。
✅ どれくらい効くの?
このような報告がまだ散見される段階ですが、
慢性硬膜下血腫という病気で、この治療を受けた患者さんの 頭痛に注目して調べた研究 では、
9人のうち 8人で頭痛が軽くなり、7人はほとんど消えた
と報告されていますので、今回のSiddiqui先生の発表に近い結果です。
ただし、まだ報告された人数が少ないため、まだ実証のための研究が必要と思います。
✅ どんな人が対象?
・薬を飲んでもよくならない
・日常生活に支障がある
などの 慢性的な頭痛 をもつ人が対象になる可能性があります。
現時点では、
標準治療として確立しているわけではありません。
「片頭痛や慢性頭痛に使えるか?」
という点も含め、今まさに研究が進んでいるところです。
✅ リスクは?
血管をふさぐ治療ですので、使用する塞栓物質や手技によっては血管や神経系の合併症が起こる可能性はあります。
しかし、私の経験上は、安全性はかなり高いと考えられます。
✅ まとめ
✔ 中硬膜動脈塞栓術は、頭痛に効く可能性がある
✔ 注射ほどの傷でできる カテーテル治療
✔ まだ新しく、確立した治療ではない
✔ 将来、薬が効かない頭痛の選択肢になる可能性がある
今後、より大きな研究が進めば
片頭痛や慢性頭痛に苦しむ方への標準治療
になるかもしれません。
新しい情報が出たら、またこのブログで紹介しますね!