「最近、片側のまぶたが勝手にピクピク動く…」
このような症状が続く場合、『顔面けいれん』という病気の可能性があります。
顔面けいれんは、片側の顔の筋肉が自分の意思と関係なく動いてしまう病気で、最初は目のまわりから始まり、進行すると頬や口元にも広がっていきます。
命に関わる病気ではありませんが、けいれんによる顔のゆがみが対面での仕事に差し障る、といった方がおられますし、けいれんを人に見られるのは誰でも嫌なことだと思います。
ただ、この病気は治療で直すことができることがほとんどです!
ぜひ以下をお読みくださいね。
◆ どんな症状が出るのか?
- 片側のまぶたがピクピクする
- 片方の頬や口元が引きつるように動く
- 緊張や疲れで症状が強くなる
- 眠っている間は症状が止まる(特徴的)
- 痛みを伴うことはない
◆ 診断はどうするのか?
問診と診察(顔の動きの観察)で診断は可能です。
原因を調べるためにはMRI検査が必要です。
多くは、脳の動脈が顔面神経を圧迫していることが原因ですが、
まれに
- 脳腫瘍
- 脳血管障害(脳動静脈奇形など)
など、別の病気が原因となることもあります。
そのため、必ずMRIを受けて原因を確認しましょう。
◆ どんな治療があるのか?
けいれんの範囲や程度を参考に、次の治療法から選びます。
① 経過観察
症状が軽ければ、様子を見る方法もあります。
この場合、ストレスや睡眠不足で悪化することがあるため、生活リズムを整えましょう。
② 内服治療
けいれんを抑える薬を使用しますが、効果は限定的です。
③ ボトックス注射(ボツリヌス療法)
もっとも一般的な治療です。ボツリヌス菌の毒素を注入します…なんて言うと「怖い!」と思われるかもしれませんが、美容クリニックなどでシワ取り注射として使われる薬です。な〜んだ、ってホッとしましたか?(笑)。
けいれんしている筋肉に少量注射すると、2−3日後にはけいれんがとまります。
効果は3〜4か月ほどで切れるため、年に3−4回、繰り返し行っていく必要があります。
④ 手術(微小血管減圧術:MVD)
けいれんの程度が強く範囲が広い人は、注射する場所も多くなります。このため、けいれんは止まるのですが、それと同時に顔が麻痺した状態になってしまいます。また、顔に注射を受けること自体を苦痛に感じる方や、一定期間ボトックス治療を受けてきたものの、徐々に効かなくなってきた場合などに、根本的治療として手術が行われます。
耳の後ろを小さく切って開頭し、顔面神経を圧迫している血管を離して別のところに糊のようなもので固定したり、スポンジを挟んだりします。
多くの患者さんで症状が消失し再発も少ない治療ですが、まれに聴力低下やしびれなどの合併症が起こる可能性があります。このため、この治療の経験が多い施設で手術を受けるのが良いと思います。
◆ まとめ
顔面けいれんは命に関わる病気ではありませんが、見た目や対面での仕事に影響します。
MRIで原因を調べ、血管による神経の圧迫が原因であれば、ボトックス注射や手術によって高い確率で改善できる病気です。
片側の目のピクピクが続くときは、早めに脳神経外科を受診してください。