脳の血管が急に閉塞した時に、それを再開通させないといけないとこれまでお話ししてきました。
血栓を風船で壊す方法でこれまで私たちは治療してきましたが、アメリカでは血栓を取り出す方法が行われていてそれが上の写真のメルシーです。正式にはメルシーリトリーバーといいます。
このメルシーがとうとう日本でも認められました。
ということですが国内ではもちろんまだ見れませんので、今回の学会の企業ブースで触らせてもらいました。
先端のコイルのようになっている部分は結構固い。しっかりとしたメモリーです。そこに糸が何本も絡み付いていて、血栓を逃さないように工夫をされています。
これまでこのメルシーは改良を重ねて来ており、左のX, L typeは初期型です。現在はV typeが使われています。
やっと使えるようになるメルシー。治療器具は何でもそうですが、うまく使えば効果が上がるし、使い方を間違えるとトラブルが起こります。
これを効果的に使えるように、講習等が行われるはずです。
メルシーの日本上陸、楽しみです。
お久しぶりです
先生、アメリカはどうですか?外国まで勉強に行くなんて凄いですね。自分なら遊んじゃいますけど!
<近未来>が現実に!
この度の ISC 2010 でのご成果、既に続々とご紹介いただいていますが、
「Merci日本上陸」のニュースも破格の<吉報>ですね!
「Merci!」・・・素敵な名前なので、門外漢の私も記憶していました。
一年前の吉村先生のブログ記事「脳梗塞の治療 日本でも申請が出たMerci」
(2009年3月26日)
―― 日本での使用申請がなされ、一年ほどで認可されるとの見通し。
本当にその通り、一年後の今、<近未来>が現実になるのですね!
脳梗塞超急性期治療として、こんなに明確な効果が期待できる治療方法は、
私のような素人には他に思い浮かびません。
まさに「脳梗塞治療新時代の幕開け」なのではないでしょうか。
多分野にわたる大勢の方々の叡智とお骨折りで、次々に開発される
治療器具・・・普段は表舞台には登場せず、また脚光を浴びることもない
何工程にもわたるお仕事の積み重ねが、医療の発展を実現させているのですね。
そして、それを使いこなすための先生方のご鍛錬のたいへんさ!
想像するだけで身震いしてしまいます。
素晴らしい成果には、それに拮抗する質量のお骨折りが・・・
治療に携わる先生方、
どうぞご自身のご健康に留意なさって、
さまざまの困難をものともせずに邁進なさってください。
このカテーテルの導入によって、多くの患者さんの命が救済されることを、
心より願ってやみません。