分かりましたか?
難しいですよね。
答えは以上の通りです。
1)赤矢印のところについて
脳の周りのすきま(しわ)はCTで黒くうつります(右の図)。
出血はCTで白く見えます。
しかし脳の周りのすきまには髄液という水があるので、それに血が混じると血の濃さによって徐々に黒から白に色が変わっていきます。ですので出血がごく少ないと黒いまま、もう少し出ると灰色になってきて、ちょうど脳と同じ色になるのです。
そうすると今回問題に出したような非常に判断しにくいCTになるのです。
2)側脳室の拡大
側脳室の下角というのは通常は狭くてCTではみえません。
これが見えるのは水頭症(脳に水がたまった状態)を意味します。
くも膜下に血がたまると、髄液(脳の周りの水)がよどんで脳室の水が増えてCTで見えるようになるのです。
分かりましたか?
しかし実際には医師でもこのCTを診断できるのはわずかだと思います。
このCTを院内の医師に見せたところ、脳外科の専門医以外にくも膜下出血であることを診断できた人はいなかったのです。
神経内科医、放射線科医でもよほど慣れていないと見逃します。
脳外科でも専門医以外は診断できなかったのです。
これは正常のCTをどれだけ見慣れているか、軽症のくも膜下出血のCTの特徴(今回の答え)を知っているかどうかにかかっています。
もし分かった人は間違いなく脳外科の専門医レベルということ!すごいですよ。自信を持ってください。
Unknown
あーなるほどっと言ってもいま一つ分かったような分からなかったような・・・すごく診断の難しいくも膜下出血で脳外科の専門医の先生にしか診断出来なかった。ということは理解できました。この方は運良く診断されて早い時期に治療を受けられたのですか?夜間で脳外科の専門医の先生がいなかった場合は朝まで治療が受けられなかったってこともありそうですね・・今たくさん出版されている良い病院ランキングみたいなものを見て、病院を選んで受診しようと思ってしまいます。どの程度その本が信じられるのかは疑問ですが・・・