急性期脳梗塞に対する血管内治療:最新情報の衝撃


急性期脳梗塞に対する血管内治療に関してISC 2013で発表がありました。
ランダム化比較試験が3つ紹介され、
SYNTHESIS Expansion: t-PA静注療法と血管内治療の比較
IMS III: t-PA静注療法とtPA+血管内治療の比較
MR RESCUE: 内科的治療と血管内治療の比較
と、それぞれ対象が違いました。
果たしてその結果は…
なんと、全試験で血管内治療の有効性は示されませんでした。

となると、「血管内治療はしなくていいんだ」と思われそうですが、それは早計です。
なぜなら、これらの治療はすべて第一世代のデバイスで出た結果なのです。
それでは第二世代とは何か?
それが上の図に示すステント型デバイスです。

「またステントか…」と思われるかもしれません。私もそう思いました。
しかし以前このブログでも紹介したように、このステント型のデバイスは非常に強力です。すでにメルシーリトリーバーとの比較試験で優位性が示されたのです。
ですから今後はこの第二世代のデバイスを用いた臨床試験が競って行われると思います。それでも効果がなければ、この治療はなくなるでしょう。

でもまずそれはありえません。というのも私たちが行ったRESCUE-Japanでは、何と第一世代のデバイスですでに有効性が示されていたのです!
日本の治療がいかに素晴らしいかを示すデータです。
早く論文化されるよう、努力します。乞うご期待!

コメント一覧

  1. MRK より:

    ステント
    たしかに、過去のブログで見覚えある絵です。ソリテアでしたね。動脈瘤のワイドネック用だったと思いますが、ステントにも色んな使い方があるんですね。

    日本でステントが承認される1年前のことですが…
    ワイドネックな為、ルーズな塞栓を受けた方がいました。再開通リスクが高いので、私ならステントが承認されるのを気長に待ちますが、ステントを知らなければそれもムリです。やっぱり色んな情報を与えてくれて、色んな選択肢を与えてくれる医師が理想だと思いました。

    先生のブログでは新しいデバイスなどが、いち早く紹介され、素人でも情報を得られるのは有り難いことです。私がこのブログで注目したのは、網目の細かいメッシュステント。塞栓しなくてもいいんですよね。何だって知らないよりは知ってる方がいい…
    と、つくづく思いました。