脳梗塞の診断 MRI拡散強調画像について

MRI拡散強調画像について

お久しぶりです。今回はMRIについてのお話です。

脳梗塞の早い段階での診断ではMRIが最も有効であることをお話ししました。
MRIにもいろいろな撮像法がありますが、急性期の脳梗塞を映し出す方法は「拡散強調画像:diffusion weighted image (DWI)」というものです。
われわれは最初の一文字をとって、通常「ディヒュージョン」と呼んでいます。
この撮影を行うと上の図のように極めてはっきりと脳梗塞の部分が映し出されます。
前回CTでの初期虚血変化についてお示ししましたが、それよりもはっきりと映し出されていることが分かるはずです。
ですから「脳梗塞を疑ったらすぐにMRI」というのが最も良い手順です。

しかしこのMRI、最近はどこの病院も予約がいっぱいで混み合っています。
また夜間に稼働できない施設もあります。
全ての病院で24時間MRIができるといいんですねけどね。
最近は救急隊の人たちもよく勉強されていて、脳梗塞の急性期治療ができる病院に患者さんを搬送してもらえます。
だんだんシステムが良くなっているんですね!

そうそうMRIでは血管も見ることができるんですよ!造影剤などを使わずに。
次回はMRIで血管を見る方法について説明します。