ニッチという言葉ご存知ですか?


ニッチ(niche)という言葉ご存知ですか?
いろんな意味がありますが、「すき間」という意味があるそうです。
私はなじみがなかったんですが、大阪市立総合医療センターの小宮山雅樹先生が主催される「ニッチ脳神経脈管カンファレンス(NNAC)」でこの言葉を知りました。

動脈瘤や頚動脈狭窄症に対する血管内治療はメジャーで誰もがよく勉強していますが、世の中には非常にまれでありながら血管内治療を要する疾患もあります。
小児の脳血管障害や頭頚部にできる血管腫などがこれに当たります。
小宮山先生はこういった領域に大変詳しく、本も書いておられるほどの方で、このNNACという研究会を2007年にはじめられました。
私もこの会に幹事として誘ってもらい、参加しています。

脳神経外科の専門医であっても一生に1-2度しか経験しないまれな疾患があるのです。
そういう患者さんを前にした時に、きちんとした治療ができるかどうか。
誰しも自信がないと思います。

だからそういう症例を持ち寄ってみんなで勉強するのです。
そうすることで、知識が増えたり、そういった症例を経験した施設もわかります。
人脈が出来ますのでいざというときに相談もできます。
これは大変意味があることだと思います。
この重要性を皆が分かっているようで、小宮山先生が努めて質素なスタイルで運営されているにもかかわらず、130人を超える出席者がありました。

私も最近、赤ちゃんのまれな病気を経験したので、来年は症例を発表したいと思います。

コメント一覧

  1. H.Y. より:

    Unknown
    最近の先生のブログを読んでいると医師というのは本当にいろいろな方面から病気を見る目が必要なんだなーと感じます。脳外科医師といっても手術の方法もさまざまだし患者さんそれぞれの条件も異なり、それに対応するためには最新の治療法を勉強しに海外へ行かれたり、まれな症例を研究したり、消防署にまで講演に行かれたり・・・
    お医者さんって凄いですね。

  2. ここ愛 より:

    『ニッチ』知ってます☆
    小宮山先生にお会いした者です。
    肺の動静脈婁という疾患もどちらかというとニッチ分野なのかな‥
    私は、あまり知られていないこの疾患のセカンドオピニオンでお会いしました。
    情報が少ない中、藁をもすがる思いで小宮山先生にお会いしました。
    きっと小宮山先生という存在がなかったら、肺動静脈婁の診断を軽くされてしまった私は絶望感とショックで生きた心地の持てない人生だったと思います。
    小宮山先生の活動が医療をより革新的なものにできることと期待しています