プレタール


今回から「プレタール」という薬について説明します。

血液をさらさらにする抗血小板薬として、これまでアスピリンとプラビックスを紹介してきました。
これらは海外で開発された薬ですが、プレタールは大塚製薬が開発し、発売している薬です。
1988年に日本で発売され、その後、アジア各国、アメリカ、イギリス、ドイツなどで販売されています。
脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制という効能・効果で販売されていますが、下肢の動脈硬化(慢性動脈閉塞症)による潰瘍・疼痛・冷感などの症状改善にも使われています。

Made in Japanのこの薬の脳卒中予防効果は科学的にきっちりと確認されています。
それが上のグラフです。
CSPS2という名前のこの試験で、アスピリンよりも高い脳卒中予防効果が証明されたのです。
次回、もう少し詳しく説明します。

コメント一覧

  1. はまゆう より:

    メディカルトリビューン

    「プレタール」は、大塚製薬により開発・発売された「Made in Japan」の
    「脳卒中予防薬」とのこと。
    アスピリンとの比較試験データ、本当に興味深いですね。

                   * * *

    「吉村紳一先生のウェブサイト」―書籍・メディア出演のご案内―
    2012年7月9日付でご紹介のあった「メディカルトリビューン」(5月24日号)
    掲載記事「急性期脳梗塞における血管内治療の新展開」を拝読しました。

    これまで「脳卒中をやっつけろ!」から素人なりに楽しみながら学ばせて
    いただいてきましたが、
    「日本の急性期脳梗塞における血管内治療の現状と課題」に関わる
    吉村先生の談話記事には、日頃ブログでも教えていただいている専門的な内容が
    集約的に示されています。

    「書籍・メディア出演のご案内」にまだ気づいていらっしゃらない方々のために、
    僭越ながら、ここにお知らせする次第です。

                     *

    血栓回収デバイス= Merci リトリーバーの開発により、この2年間で血管内治療の
    施行率が約3倍に増加したという実績、
    tPA 静注療法と血栓吸引デバイス= Penumbra システムとの組み合わせ治療の
    <正統性>と<正当性>、
    Merci と Penumbra の使い分けや Penumbra による再開通率向上のためのコツなどが
    紹介され、
    患者さんそれぞれの症例に応じた治療法について、選択の重要性、組み合わせの
    有効性についても特記されています。

    また、連携治療システム  “ Drip, Ship and Retrieve ” ( tPA静注療法開始 → 
    血管内治療施設への転送 → 血栓回収・除去)の普及によって、各施設における
    得意治療法が遺憾なく駆使される<リレー治療>の成果や、
    「RESCUE-Japan Registry」において対象となった患者さんの約7割が
    心原性脳塞栓症であることから、ワルファリンなどの適切な投薬による、
    脳梗塞発症抑制のための対策についても説かれています。

    最後に、Merci、Penumbra に続く次世代デバイス= Solitaire 導入への期待も!

    「血管内治療の普及と適切な薬剤による発症予防強化の2段構えで、急性期脳梗塞
    治療のさらなる進歩が期待できる」という、力強く心強い「展望」で
    結ばれています。
                      *

    この「メディカルトリビューン」に掲載された吉村先生の談話に接して、
    「脳卒中をやっつけろ!」の関連記事を多々想起させていただきました。
    (以下はその一部です。)

       ★ 「メルシーデバイス解禁!」(2010年10月1日)
       ★ 「ペナンブラ初症例に遭遇!」(2011年7月29日)
       ★ 「RESCUE-Japan Registry 中間報告」(2011年8月1日)
       ★ 「Dr.Frei visited Gifu!」(2011年8月3日)
       ★ 「MT Pro」(2011年10月1日)
       ★ 「ぺナンブラシステムのコツ」(2011年12月14日)
       ★ 「SWIFTの結果は?」(2012年2月4日)

    吉村先生のわかりやすいブログ記事から、楽しみながら学ばせていただくこと
    頻り!
    専門的な事柄は素人にはなかなか習得することはできませんが、
    「血管を一刻も速く開通させて、患者さんを良くするんだ!」という
    先生の「情熱」がひしひしと伝わってきます。

    その「情熱」に裏打ちされた精力的な学びや、慎重に慎重を期すご姿勢も、
    ブログの記事と連動しています。

    以上、ブログ愛読者の方々にお伝えしたくて、本当に僭越ながら、
    「メディカルトリビューン」記事と関連記事のご紹介をさせていただきました。

                      *

    吉村先生のお蔭で、専門的にも(その一端の一端を)勉強させていただくことに
    よって、医療関係者の方々への一層の感謝の念が募ります。
    感謝をエールに代えて――

    「24時間体制で救命にあたっていらっしゃる、全国津々浦々の先生方、
    ご自身のご健康にくれぐれも留意なさって、素晴らしいお仕事を展開なさって
    くださいませ!」

    先生方のご健康とご活躍を、いつの日も、心よりお祈りしています。

  2. はまゆう様へ より:

    ブログ愛読者
    先生のブログをいつも参考にさせて頂いている読者の一人です。
    はまゆうさんは、先生のブログをよく研究されているのですね。過去の記事にまで非常に詳しくていらっしゃいますが、パソコンか何かで管理されているのですか?
    ハンドルネームからは女性のイメージでしたが、もしかして男性ですか?

  3. はまゆう より:

    「ブログ愛読者」さまへ

    「ブログ愛読者」さま

    吉村先生のブログ「脳卒中をやっつけろ!」に、時折、長文のコメントをお寄せしていることから、
    ご質問をいただき、光栄に存じます。
                        *

    「ハンドルネームからは女性のイメージでしたが、もしかして男性ですか?」

    につきましては、<もしかしません>で、一応女性ということになっています(笑)。

                        *

    「はまゆうさんは、先生のブログをよく研究されているのですね。過去の記事にまで非常に
    詳しくていらっしゃいますが、パソコンか何かで管理されているのですか?」

    と、温かいお問いかけをいただき、どうもありがとうございます。

    私は<文明の利器>に強くありませんで、本日(2012年7月14日)現在、何と660(!)に上る
    吉村先生のブログ記事につきましても、特段の「管理」はしておりません。

    素敵な写真や精緻な図表とともに印象に残っている記事について、引用するかたちでコメントを
    お送りする際には、「カテゴリー」「バックナンバー」「記事一覧」の項目で、確認をさせて
    いただいています。

                         *
    ご存知のように、
    吉村先生のブログ「脳卒中をやっつけろ!」は、2008年1月22日に開設されました。

    個人的なお話で恐縮ですが、実はその年5月に、まずは父が、そして7月には母が、立て続けに
    脳神経外科の先生方と看護師さんにお世話になり、至れり尽くせりの治療をしていただきました。

    当時、脳梗塞の知識は皆無に等しかった私に、検索する過程で出逢った吉村先生の「脳梗塞」
    関連の記事は、両親が受けさせていただいた治療の内容について、本当に多くの貴重な情報を
    与えてくださいました。

    「脳卒中をやっつけろ!」の記事を<精読>させていただくようになった背景には、このような
    個人的体験があります。

    そして4年・・・コメントをお送りするようになって3年・・・の月日が経ちましたが、
    「閑話休題」のさまざまな話題の記事も、皆さんと同様、日々堪能させていただいています。

    楽しみながら勉強させていただける幸いに、心より感謝しつつ――。

  4. はまゆう様へ より:

    ~ブログ愛読者より~
    ご返信ありがとうございます♪

    私が吉村先生の患者になったのは、ちょうど去年の今頃です。同じ頃ブログも拝見するようになりました。先生のHPで動脈瘤治療のムービーを興味津々に見ていたのを思い出します。

    はまゆうさんは、たしか榎本女医のご講演もお聴きになったとコメントされていましたね。私はそれまで榎本女医が、ご講演もなさるとは知りませんでした。スゴい察知能力&行動力ですね!岐阜県民ではないので難しいかもしれませんが、私も一度は先生方のご講演を拝聴したいと思っています。

    梅雨もそろそろ終盤にさしかかり、夏本番も目前です。
    はまゆうさん、そして吉村先生、どうぞより一層ご自愛なさってくださいね♪