KMさんから手術のライブ中継における合併症についての記事をご紹介頂きましたので、少し私の見解をお話しさせて頂こうと思います。
手術のライブ中継というのは、ある病院の手術の様子を学会場で実況中継する企画のことです。これは海外ではかなり盛んで、主に循環器系の学会でよく行われています。私が以前参加したアメリカのVIVAという学会も、カテーテル治療のライブが中心でした。日本でも脳血管内治療の領域ではよく行われています。
手術のライブ中継からは学ぶ事が非常に多いというのが私の率直な意見です。それぞれの場面における現場での判断の仕方やトラブルの回避法など、教科書には載っていない多くの情報を得ることができます。ベテラン医師同士が相談しながら行うので、通常の手術よりも結果が良いという見解もあります。しかし、患者さんの手術を中継することで医師に通常以上の緊張が生まれ、トラブルが起きやすくなるのではないかという懸念もあります。
このようにライブ中継に関しては賛否両論という状況なのですが、以前に循環器系のライブ中継中に起きた手術合併症をきっかけに外科系の学会ではライブを禁止する動きがあり、実際、日本脳神経外科学会ではライブ中継を禁止しています。
一方、日本泌尿器内視鏡学会では逆に、ライブ中継についての倫理指針が必要としてガイドラインを設定しています。つまりこれに従えば行ってよいという見解です。
http://www.jsee.jp/guide-liveope
私自身は前述のように肯定的な立場ですが、もし継続的に行うのであれば我々脳神経系の学会でもガイドラインを設定するのが良いように思います。
非常に勉強になるものの議論の多いライブ中継。今後の動向を見守りたいと思います。
Live
私は外科手術のライブにはあまり賛成ではありません。術者は緊張するのではないでしょうか。ただ、カテーテル治療はライブが文化のようになっているので、緊張も少ないかと思います。
ライブ
本当の手術の現場が一番勉強になる訳ですからそれに近い状況ほど学ぶ事が多いと思います。ですからライブには基本的に賛成ですが、先生が紹介されたように脳外科でもガイドライン作成するなどして前向きに取り組んでもらいたいです。
Unknown
Kozoさん、一刀流さん、お二人とも脳外科医とお見受けしました。ライブについてはガイドライン作成を含めて、もう少し議論して行く必要がありますね。
コメントありがとうございました。