利尿薬

血圧を下げる薬(降圧剤)の続きです。今回は利尿薬を紹介します。
血圧を下げるのになぜ利尿(尿を出すこと)が関係するのでしょうか。
外来で利尿剤を処方すると、次の外来で「薬局で利尿剤は尿を出す薬だと聞きました。私は尿は普通に出ているのでこの薬はいりません」と言われたりします。
そこでまず、この利尿剤の作用機序について説明します。

「塩分の取りすぎで血圧が上がる」ということは聞かれたことがあると思います。これはどういう仕組みなのでしょうか?
塩っからいものを食べると、喉が渇いて水を飲まないといられなくなりますよね。これはとりすぎた塩分によって体内の塩分濃度が上がるのを防ぐため、私たちの体が通常よりも多くの水分を取り込んで薄めようとしているのです。体内の塩分濃度はこのようにして一定に保たれているので、普段から塩分を多めにとる人は慢性的に体液量(血液量)が多い状態が続きます。
体液量(血液量)が増えると血管はその分だけ圧迫され、血圧が上がります。ちょうど風船が膨らんだ状態と同じです。

利尿薬は腎臓に作用して、体内の塩分(ナトリウム)と水分の排泄を促し、体液量(血液量)を減らすことによって血圧を下げる薬なのです。塩分とともに水分を排出する作用があるのです。日本人は塩分を多く取りますから、減塩が効果的ですし、この薬も有効なことが多いのです。

種類
サイアザイド系:フルイトランなど
ループ系:ラシックスなど
抗アルドステロン薬:アルダクトンAなど

主な副作用

1) 低カリウム血症(サイアザイド系、ループ系利尿薬)
2) 高尿酸血症、脂質代謝異常、糖代謝異常
3) 女性様乳房、月経異常、高カリウム血症(抗アルドステロン薬)
4) 血液粘度の上昇

コメント一覧

  1. M&Y より:

    利尿作用
    高血圧症のかたは薬を服用されるのがよろしいかと思いますが、カリウムを多く含む食品をとられるといいかと。カリウムは利尿作用・塩分の過剰摂取を緩和する効果があるらしいので、食後にりんご、梨を食べるのも。