大型動脈瘤に対する挑戦


昨日は千葉で講演をさせて頂きました。
テーマは大型脳動脈瘤(直径10~12ミリ以上)で、破裂・未破裂に関わらず治療が難しいことが多いため、我々もどのような治療をするか迷うことがあります。
昨日は、大型動脈瘤に対する自身の考え方や治療の工夫についてお話ししました。

未破裂脳動脈はほとんどが無症状で、MRIなどで偶然見つかることが多い病気です。
年間破裂率は一般的には1%前後と低いことが多いのですが、大型動脈瘤の場合には年間5%前後であるとされています。
このため治療を行うことが多くなりますが、開頭手術を行うのか、血管内治療を行うのか、あるいは二つを組み合わせたハイブリッド手術を行うのか、個別に詳しく検査して決めています。

目標は患者さんが元気でお家に帰れることです。
手術の難易度やテクニックは、患者さんには関係ありません。
「結果が全て」です。
ただ、どんな治療にも100%の成功はあり得ません。
このためどうやって成功の可能性を上げるかということばかり考えており、色々と工夫を凝らしています。

昨日は自身の経験を基に、お話をさせて頂きました。
お招き頂いた千葉大学脳神経外科の小林英一先生をはじめ、関係者の方々に心から御礼申し上げます。

コメント一覧

  1. うさぎ より:

    大きさは?
    大型とは、何mm以上の事ですか?

  2. 吉村 より:

    大型動脈瘤の定義
    本文中に加えましたが、最大径12ミリ以上という定義と10ミリ以上という定義があります。

  3. オナゴスキー より:

    はじめまして
    だいふ前の記事ですが、コメントさせていただきます。

    母が6年前(53才)にくも膜下出血で開頭手術をしています。
    動脈瘤が15mmあり、せんつうしを避けるのがとても大変で、クリップを3つ使ったそうですが、後遺症なく無事に社会復帰しました。

    15mmにしては、出血が非常に少なかったようで、まともに出血していたら即死であっただろうと、主治医から説明されました。

    クリッピングを得意とされている先生で、非常に難しかったが、なんとか上手くできたよと、言われました。

    出血の少なさと、主治医の技術に感謝しています。

    一般的に15mm程の動脈瘤の破裂では、致死率はどの程度となるのでしょうか?

    また、大きな動脈瘤は、脳外科医なら誰でも処置出来るというものではないのでしょうか?