今回の朝日新聞の記事はtPA静注療法の適応時間が延長したことと急性期脳梗塞に対する血管内治療の紹介でした。私が取材に協力した血管内治療については図解で分かりやすく解説されていました。
ところで実は昨日夕方、ちょうど同じ状態の患者さんが緊急搬入されました。
朝日新聞の記事を朝、夫婦で読まれて、自分たちも何かあったらすぐに病院に行こうと言っていた矢先だったそうです。他の病気で当院通院中でもあったため奥様が当院への搬送を強く希望され、救急車で直接運ばれてきました。
患者さんは重症でしたが、血管内治療で血栓が大量に回収でき、わずか25分で完全再開通させることができました。
患者さんは治療室ですでに麻痺が戻りはじめ、奇跡的な回復をみせています。
記事にしてもらったおかげで、自分たちの目の前で一人の命が救われました。
こんなことがあるんですね!
取材して頂いた朝日新聞社の大岩ゆりさんに感謝致します。
また、この記事を読んだNHKの番組「あさイチ」から取材依頼が来ました。
日本中の人に脳梗塞に対する血管内治療の存在を知って頂き、いつしかtPAと同じぐらい知名度が上がれば、もっと救われる人が増えるものと期待しています。
来週火曜日に放送とのことです。
みなさん、お仕事中だと思いますけど、時間が合えば是非ご覧下さいね!
すごいです!
話をお聞きしただけで感激です。広報活動、(啓蒙って言うんですか?)大事ですねー。これからも頑張って下さい。応援します!
はじめまして
母が脳出血を患い色々調べていたら、先生のブログにたどり着き最初の記事から拝見しました。
一般の方でも解りやすく説明している記事なので、本当に勉強になりました!ありがとう御座いました!
先生のブログのタイトル『脳卒中をやっつけろ』このタイトルに励まされ、ブログを読んでいて元気をもらった記事もあり、少し楽になりました。
私も奇跡を信じてみますね…。
感動
今回のブログを拝見し感動しました。素晴らしいですね。こういった治療が広く行われるようになるよう祈っています。
良い傾向ですね。
「脳卒中」に対する我が国の危機感は、まだまだ先進国の中でも低いものだと考えます。吉村先生のような存在が増え、多くの患者さんが救われる事を祈ります!(^v^)
「奇跡」のリレー
この度の「奇跡!」――患者さんの「奇跡的なご回復」、本当に良かったですね。
患者さんご自身と奥様に、そして、その「奇跡」を招来なさった吉村先生に、
心よりお祝い申し上げます。
私も、当該の「朝日新聞」2012年11月27日(火)朝刊の記事を拝読することが
できました。
(お見逃しになった方々へ)
「脳梗塞 広がる治療」という標題のもと、
● 「血栓を溶かす治療薬」(tPA)を使える時間が、発症後3時間から4時間30分に
延長されたこと
● 「血管に管を通して血栓を取り除く方法」(メルシーリトリーバーとペナンブラ)
が2年前に登場したこと
によって治療法の選択肢が広がり、以前には困難であった救命の事例が紹介されて
います。
コメントをお寄せになったのは、国立循環器病研究センターの豊田一則先生、
峰松一夫先生、神戸市立中央市民病院の坂井信幸先生(登場順)といった、
吉村先生のブログ「脳卒中をやっつけろ!」でお馴染みの先生方!
*
とくに印象深かったのは、
「うまく使えば血栓をとかすが、時間が経つほどもろくなった血管が破れて頭蓋内
出血の危険性を高めてしまう」という「tPA」の「もろ刃の剣」の側面。
(それでも、有効性と安全性が認められての今回の時間延長!)
また、「血管内治療は技術が必要で、実施できるのは全国に約360病院」であり、
「24時間態勢で対応できる病院はその一部」ということ。
(「地域格差」の実態も衝撃的!)
「脳卒中の8割を占める脳梗塞は、年間に約20万人が発症すると推計されている」
ということを考え合わせると、脳神経外科の先生方、血管内治療にあたられる
先生方は、それぞれ、いったい、何人の患者さんの治療にあたっていらっしゃる
ことになるのでしょう。
お一人おひとりの先生方が、想像を絶する激務に携わっていらっしゃるという
ことですよね。
第一線の先生方に敬意を表するとともに、脳神経外科の専門分野をめざす次世代の
先生方のご登場を願ってやみません。
*
前掲の記事のうち、「血栓除去、ポンブ式も」と見出しが付けられた事例が、
吉村先生の血管内治療です。
「救急車で救急病院に運ばれた時には意識はなく、重症だった」患者さんが、
岐阜大学附属病院に転送され(――Drip, Ship, and Retrieve ですよね)、
メルシーリトリーバーを使用しての治療に加え、「血管壁を補強する治療」も
受けることで、3ケ月後には見事に職場復帰・・・
<奇跡の治療>がなされたのでした。
そして、記事掲載当日に起こった、この度の「奇跡!」
綿密な取材をもとに、読者にわかりやすい記事を執筆なさった記者さん、ご夫婦で
関心をもってその記事を読まれた患者さん、パートナーを救う一心で「血管内治療」の
病院搬送を切望なさった奥様、そして、見事、その「奇跡」のリレーを引き継がれた
吉村先生はじめ、スタッフの皆様・・・
「奇跡」(miracle)は「常識では考えられない神秘的な出来事」と辞書には記されて
いますが、病院で起こる「奇跡」は、愛情と情熱と研鑽と技術の結集力による<必然>
ではないかと思われてなりません。
*
同じ「朝日新聞」朝刊に、翌日(11月28日)にも、「血管事故対策」の「研究広告」が掲載されていました。
「『血管』研究第一人者 高沢謙二先生」のお言葉によれば、「血管、血液、血圧に関する知識を身につけることは、これからの日本人の必須教養」であるとのこと。
<向学心>を掻き立てられるとともに、感動を新たにした、今回の「奇跡」の話題!
これからも「脳卒中をやっつけろ!」を愛読させていただくことを通して、
「必須教養」を身につけ、「感動」を共有させていただきたいと、
心より願っています。