脳内出血だけを起こす動脈瘤


なぜ脳内出血だけを起こす動脈瘤があるのかとご質問がありました。
それは上の図を見て頂ければ分かると思います。

左の図のように、通常の動脈瘤は「脳の外」にあるため、破裂した時に血液は「脳の外」、つまり「くも膜下腔」に流れ出ます。ですから「くも膜下出血」になるのです。

これに対して、右の図の動脈瘤は先端が「脳の中」に潜り込んでいるため、ここが破裂すると「脳の中」だけに出血する、というわけです。

純粋に脳内出血だけの動脈瘤はそれほど頻度は高くありません。しかしくも膜下出血に脳内出血を合併するという程度ならかなり良く経験されます。
この場合、普通の脳内出血と間違われ、動脈瘤の治療が遅れることがあるので注意が必要です。

以上、ご参考となれば幸いです。

コメント一覧

  1. ak-boo より:

    こんにちは
    最近、未破裂脳動脈瘤が見つかりました。
    頭痛との直接的な原因は無いようなのですが、まったく不安が無いとも言い切れません。
    血管が交差している箇所の方が破裂率が高いと聞きました。
    ということは、平坦な箇所は破裂率がもっと低いということなのでしょうか?

  2. 今泉秀佳 より:

    水頭症
    初めまして。医療従事者(PT)としてよく拝見させていただいています。現在、クモ膜下出まで水頭症を合併し、シャント術を施行した方を担当しています。経過としてれん縮で視床の血流低下があり、覚醒が悪いのですが、術後もなかなかあがってきません。JCS10、麻痺はほとんどありません。経験上シャント術後の立ち上がりが悪い患者さまをよく見受けるのですが、シャント術についても一度解説いただけないでしょうか。また、術後予後の統計などの疫学なども教えていただけないでしょうか。

  3. 吉村 より:

    水頭症について
    今泉先生、了解しました。近々紹介します。

  4. 質問 より:

    Unknown
    近々紹介しますとありましたが、いつ頃紹介されたんでしょうか。