脳卒中と間違われやすい病気:慢性硬膜下血腫

最近、家族の様子が少しおかしい…

「認知症が進んだのではないか?」

「もしかして脳卒中?」

そんな症状が出てきた時に、実は別の病気が隠れていることがあります。

その代表例が 慢性硬膜下血腫 です。

どんな病気でしょうか?

頭を打ったあと、脳の外側(硬膜と脳の間)に じわじわ血が溜まってくる病気です。

血腫がゆっくり大きくなるため、症状が出るまで 数週間〜数か月かかります。

「ぶつけた記憶がない」という方も珍しくありません。

少しつまずいた、転んだ、頭を軽くぶつけた…その程度でも起こり得ます。

どんな症状が出る?

血の塊が脳を押すため、脳卒中とよく似た症状が出ます。

           •          片側の手足が動かしにくい(麻痺)

           •          呂律が回らない

           •          歩きにくい、ふらつく

           •          物忘れやぼんやりする

           •          頭痛・気分不良

           •          性格が変わったように見える

高齢者では 認知症と間違われることが多いのが特徴です。

誰に多い?

           •          高齢者

           •          血をさらさらにする薬(抗血小板薬・抗凝固薬)を飲んでいる人

           •          お酒をよく飲む人

に多く見られます。

検査と治療は?

検査は CT があればすぐに診断できます。

治療は小さな穴から血を外へ出す 小さな手術が中心です。

正しく治療できれば、症状が改善する可能性がとても高い病気です。

放っておくと?

血腫が急に大きくなり、

命に関わったり、重い後遺症を残すこともあります。

「最近、歩き方が変」「急に物忘れがひどくなった」 そんな時は、早めに脳神経外科へ相談してください。

YoutTubeでも紹介していますので、ぜひご覧くださいね!

コメント一覧

  1. MRK より:

    吉村先生 ご無沙汰しております。
    投稿とは関係ないコメントになりますが、今週から始まった月9ドラマ「ヤンドク」のモデルが岐阜大の榎本先生だとのネットニュースを見ましたが、本当ですか?

    岐阜から東京に出て来た二刀流脳神経外科医を橋本環奈さんが、演じていますね。大袈裟な岐阜弁が名古屋弁か?と最初は思いました。
    現実味のない経歴だと思いながら見ていましたが、岐阜出身の二刀流脳神経外科医と言えば、私にとっては吉村先生を思い出さずにはいられません。
    医療監修とかは誰がやったんだろうと調べていたら実在モデルがいて榎本先生とわかりました。

    先生もドラマご覧になりましたか?

    • MRKさん、お久しぶりです。そうです、榎本由貴子先生がモデルです。まあ、岐阜の女性脳神経外科医でこの経歴は他にいませんよね(笑)。
      第一回も見ました。ドラマでは3年目医師の設定ですのでちょうど私が一緒に仕事をしていた頃になります。実際とはかなり設定が違いますが、今後の主人公の成長に期待しています。応援よろしくお願いします!

  2. @a より:

    お昼に強風で転倒し、頭を強打した後、
    その日の夜遅くに突然の嘔吐があり、救急搬送され、すぐに手術となった知人がおります。
    お話を聞く中で、もしかすると硬膜下血腫の可能性があったのではないかと感じました。

    先生にお伺いしたいのですが、
    硬膜下血腫は、一度手術などの処置を行えば、再発することはないのでしょうか。

    また、状態にもよるかとは思いますが、
    手術時間は一般的に長時間になることが多いのでしょうか。

    夜中から明け方までかかったと聞き、
    あらためて先生方、そして医療に携わる皆さまには頭の下がる思いでした。

    お時間の許す折に、教えていただけましたら幸いです。

    • コメントありがとうございます。
      硬膜下血腫は1)急性硬膜下血腫と2)慢性硬膜下血腫に分類されます。
      2)慢性硬膜下血腫は今回紹介したように徐々に進行するため認知症などと間違われやすいです。また治療は小手術(小さな穴を開ける手術)と血管内治療になります。
      一方、このかたは1)急性硬膜下血腫であったため、緊急で大開頭手術になったのだと考えます。
      「硬膜下血腫は、一度手術などの処置を行えば、再発することはないのでしょうか。」とのご質問ですが、再発はあります。
      特に慢性硬膜下血腫の場合、通常の手術(穿頭血腫除去術)後の再発率はおよそ10%前後で、血管内治療を追加すると再発率が下がるとの報告が増えています。
      手術時間は1)急性硬膜下血腫の場合には通常2−3時間ですが、重症の場合には長くなることもあります。
      ご参考となれば幸いです。

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