昨日、横浜で研究会に参加してきました。
多くの会が自粛する中、思い切って開催されたこの研究会には多くの先生方が参加されていました。
震災の復興のため多くの方が尽力されています。私たちの気持ちも一緒です。
しかし、脳卒中は一定の確率で発症し、私たちはこれまでと変わりなく救急治療を行っています。その手を緩めるわけにはいかないのです。
より良い治療を追求するため、専門家の勉強会が各地区で開催され、その後の治療にすぐにfeedbackされていきます。現場の医療は、意外にもこういった小さな研究会でのアットホームな雰囲気で行われるディスカッションをきっかけに進歩するのです。ですから私たちは地区の研究会を大切にしています。
今回は私たちが行っている脳梗塞の急性期治療についてお話しさせて頂きました。講演後、多くの質問やコメントを頂き、この領域がホットであること、そして私たちの積極的な姿勢が専門家の先生方にご評価いただけることを実感しました。
これからのキーワードは復興だと思います。
そのためには私たちが通常の業務を再開し、本来の活動に戻して行くこと。これこそが私たちにできる「復興」のための第一歩ではないかと考えています。
今回この研究会を開催され、講演にお招きいただいた湘南鎌倉総合病院脳卒中診療科の森 貴久先生に心から御礼申し上げます。
今、私たちにできること
東日本大震災、続く余震の被災地の状況について、メディアを通して見聞する度に、
「自分にも何かできないか」という思いを、大勢の方々が抱いていらっしゃいます。
吉村先生のブログの記事・コメントからも、その思いがひしひしと伝わってきます。
そのようななか、「ボランティアバス」についてご紹介くださった「かめ先生」の
「がれきの片づけなどで、もし手や指を怪我などすると、日々の診療に影響して
しまいますね」という正鵠を射たご指摘に、私も首肯する者です。
被災地であるか否かを問わず、「脳卒中は一定の確立で発症」し、先生方は
「これまでと変わりなく救急治療」の「手を緩めるわけにはいかない」
――ご自身の手指を怪我なさっては、医療活動において文字通り致命的ですよね。
吉村先生が「ご自分にできることは何か」と、さまざまに情報収集と思考を重ねられ、
その結果表明なさった「私たちが通常の業務を再開し、本来の活動に戻して行くこと。
これこそが私たちにできる『復興』のための第一歩ではないか」というお言葉に、
深い共感を覚えています。
それぞれの持ち場で、それぞれが任務を遂行することが、被災地の〈復興〉を支援する
ことに繋がるということ――。
私の身近にも、被災地の人々とのこれまでの親交を生かして、現地でのボランティア活動に
従事していらっしゃる方々があります。救援物資を届け、瓦礫を片付け、お年寄りや
幼い子どもたちの世話をする人々の支援のあり方に、敬意と感謝の念を、本当に心より
抱かないではいられません。
ただ、「今、私たちにできること」は、本来、多様であってよい筈ですよね。
理不尽にも命を奪われた人々の無念を思い、かけがえのない人を喪った方々の慟哭に
寄り添い、高校球児が「全身全霊」のプレーで激励したように、海外の人々がメディアを
通して温かいメッセージを送り続けているように、全国津々浦々の人々がさまざまのかたちで義援金や救援物資を送っているように、
「今、私たちにできること」は多様であるように思います。
医療従事者でない私は、この東日本大震災の被災地はもちろんのこと、被災を免れた
土地か否かを問わず、それぞれの地におけるそれぞれの先生方のひたむきな医療活動に、
敬意と感謝の念を抱いてやみません。
「通常の業務を再開し、本来の活動に戻して行くこと」――その実践によって〈復興〉を支援する先生方に、心よりのエールをお送りします。
日々精進を重ねられる先生方に、かけがえのない多くの命が救われることによって、
美しい日本の原風景と活気あふれる産業の〈復興〉が遂げられることを、
確信してやみません。
Unknown
吉村紳一先生
はじめまして、先日のKNISSに参加させて頂いた横浜栄共済病院の森と申します。コメント欄からのご挨拶で誠に恐縮です。
先生のご講演は何度か拝聴させて頂いておりますが、先日のご講演も脳梗塞急性期治療の現状と今後を包括された素晴らしい内容で、大変感激いたしました。会自体も盛り上がってとても良い会でしたね。
意見交換会で是非ご質問したかったのですが、皆さんの後塵を拝しているうち、病院に呼び戻されてしまいました。
また学会等でお見かけしたらお声をかけさせて頂きます。
ありがとうございました。
森先生へ
コメントありがとうございます。ぜひお話しさせていただきたかったです。学会などで遠慮なく声をかけてください!