以前から紹介している血管内からの検査、OCT。
これまで40例ほどに応用してきましたが、その解析結果をAJNR (American Journal of Neuroradiology)に投稿したところ本日アクセプトの連絡が来ました。
これまでOCTに関して
1. 頚動脈内血栓をOCTで確認しCEAを行った症例報告
Demonstration of intraluminal thrombus in the carotid artery by optical coherence
tomography: technical case report. Neurosurgery. 2010;67(3 Suppl Operative): onsE305
2. 頚動脈におけるOCTの典型的画像
OCT of Human Carotid Arterial Plaques. JACC Cardiovasc Imaging. 2011;4(4): 432-6.
を報告してきましたが、今回新たに報告したのは
3. 症候性、無症候性頚動脈狭窄症におけるOCTの所見
Visualization of Internal Carotid Artery Atherosclerotic Plaques in Symptomatic and Asymptomatic Patients: A Comparison of Optical Coherence Tomography and Intravascular Ultrasound. Am J Neuroradiol AJNR (in press)
です。
OCTは心臓領域でさかんに行われています。私たちは数年前にグッドマンの早野基樹さんに紹介してもらい興味を持ちましたが、頚動脈には保険が通っていないので、「面白そうだけど使えないなあ」と思っていました。
その後、当院の川崎雅規先生がアメリカでOCTに関する先進的研究をされていたことを知り、症例を選んで循環器内科の先生方と取り組みはじめました。現在まで、ずっとご指導頂いています。
OCTの応用に関しては、以上のように保険未承認という状況のため、倫理委員会での承認後、病院からの研究費で行っています。
これまで頚動脈におけるOCTの応用に関して3つの論文報告ができました。でも、このOCT。まだまだ興味深いことがいっぱいあります。
これからも循環器内科の先生方と協力して取り組んで行きたいと思います。
先生方、ありがとうございました。
希望の光、OCTの臨床研究!
吉村先生、そして循環器内科・脳神経外科の共同研究の先生方、
「頸動脈へのOCT応用が JACC Imaging に掲載」(4月19日)に引き続き、
ご成果が広く活かされることになる国際的な雑誌に、ご論文がアクセプト
されましたこと、本当におめでとうございます。
心よりお祝い申し上げます。
私は医療についての素人ではありますが、
吉村先生のブログから学ばせていただくことを通して、
先生方のお仕事の素晴らしさを、推察させていただいている次第です。
この度のご快挙は、日進月歩の医療器材と医療技術を駆使しての、
先生方の一日一日のご研鑽の積み重ねが、正当に評価されてのことにちがいありません。
吉村先生の一年前のブログ記事「OCT」(2010年4月25日)から、OCTは
「血管の中から光ファイバーで観察する方法」、「近赤外線を使って観察」し、
「これまで行われて来た血管内超音波という方法の20倍精度が高い方法」と
教えていただきました。
このように精確緻密な検査方法は、患者さんひとりひとり異なる症例に応じて、
最適・最良の治療の判断や実践を進めることを可能にする、
血管内治療にとって画期的な方法なのでしょう。
それにしても、左側の血管の写真は、何だか<金環日食>のようですね。
生命感あふれる<芸術作品>のようにも見えます。
近赤外線の照射する光が、困難な治療や予防のための具体的な方途を指し示す、
希望の輝きのように感じられてなりません。
右の血管のイメージ図も、あたかも日本刀の刃文のようですね。
「二刀流」の先生方のシンボルマークのように思われるのですが・・・
いかがでしょう(笑)。
このように素晴らしい機器が開発され、またその機器を駆使しての治療がおこなわれ、
その治療の有効性が証明されてゆくプロセスは、先生方の日々の精進があってこそ!
さらなるエールをお送りしないではいられません。
また、このような素晴らしいお仕事に携わっていらっしゃる
すべての研究者の方々、企業スタッフの方々の、日々のお骨折りに
心よりの敬意を表します。
OCTを活用しての臨床研究のご発展、治療への応用が、
今後ますます進展なさいますように。
そして、
不安や絶望に襲われている多くの人々に、
希望の光輝を与えてくださいますように――。