SWIFTの結果は?

SWIFTの結果は?


脳動脈が急に閉塞した場合、再開通させるカテーテル治療があります。
日本で初めて認可されたのはメルシーリトリーバーです。
しかし最近はこれを上回る器具が次々に開発されており、その中で最も有望なのはステント型の器具です。名前はSOLITAIRE(ソリテア)。もともと通電して切り離すタイプのステントを血栓回収に使ってみたところ意外に良いということで、むしろ再開通デバイスとして注目されています。
http://www.ev3.net/neuro/intl/flow-restoration/solitaire-fr-revascularization-device.htm

今回のISC2012で、メルシーとソリテアをランダムに比較したSWIFT試験の結果が公表されました。
その結果、上に示すように明らかにソリテアの方が良いという結果でした。この結果をもとにごく近い将来、米国でソリテアが承認されることが見込まれますし、続々と他のデバイスも参入してくるものと思われます。事実、すでに他社のデバイスが欧州での試験を終えているようです。

急性期開通療法の新たなデバイスに関して良い結果が出たことは、大変うれしいことです。日本におけるこういったデバイスの早期承認と本治療法のますますの普及が期待されます。

コメント一覧

  1. はまゆう より:

    再び「新しい時代の幕開け」

    今回の国際脳卒中学会(International Stroke Conference)での
    吉村先生のご発表――

    「全国の脳卒中治療施設のデータを登録するRESCUE-Japanのデータを投稿した
    ところ、口頭発表(oral presentation)に選ばれました。
    この学会の口頭発表は1割前後しか通らないそうなので大変名誉なことです。
    もちろん今回はRESCUE-Japanに参加された皆さんの貴重なデータを集めた全国
    多施設共同研究ですから採用されたのです。
    責任重大ですので、気合いを入れて発表したいと思います。」
                        (「英語での講演」2012年2月2日)

    との吉村先生のご発表を通して、「RESCUE-Japan」のご研究成果とその意義が、
    国際的に認知されることになったのですね。
    多くの医療機関の先生方、関係者の皆様のお骨折りとご功績に、改めて心よりの
    敬意を表します。

                      *

    今回ご教示いただいた血管再開通デバイス SOLITAIRE(ソリテア)――
    「メルシーとソリテアをランダムに比較したSWIFT試験の結果」では、「明らかに
    ソリテアの方が良い」と教えていただき、感無量・・・

    吉村先生のブログ記事

    「脳梗塞の治療 日本でも申請が出たMerci」(2009年3月26日)、
    「Merciの実物を見ました!」(2010年2月27日)、
    「メルシーデバイス解禁!」(2010年10月1日)
    「Merciの威力」(2010年10月27日)などを通して、

    メルシーリトリーバーという血管再開通デバイスの<威力>と、
    先生方のご精進ぶりに感銘を受けておりましたところ、
    わずか数年の間に、ペナンブラ、ソリテア・・・

    矢継ぎ早に登場するデバイスを効果的に駆使することが、どんなに大変なことか、
    素人ながら想像させていただいている次第です。

    「急性期開通療法の新たなデバイスに関して良い結果が出たことは、大変うれしい
    ことです。日本におけるこういったデバイスの早期承認と本治療法のますますの
    普及が期待されます。」

    とのお言葉から、最新のデバイスに果敢に挑戦なさる先生方の心意気が伝わって
    くるようです。

    勝手な深読みをさせていただくと・・・
    最新のデバイスへの飽くなき追求というよりも、脳梗塞の患者さんを救済するために、
    より良い治療法を駆使したいという先生方の<Aspiration>の表れなのでしょう。

    患者さんひとりひとり異なる症例に対して、どの治療法がベストか、
    最新のデバイスが必ずしも最適の治療法とは限らない、けれども、少しでも
    <結果>の良い治療法を確立したい、という先生方の<Aspiration>が伝わって
    くるようです。

    個別の症状に応じたデバイス使い分けの時代――
    2012年の今、脳血管内治療が再び「新しい時代の幕開け」を迎えたということなのでは
    ないでしょうか。

    画期的なデバイスの登場と、そのデバイスを縦横無尽に駆使なさる先生方のますますの
    ご活躍を、心より願っています。
    日々のご精進への感謝とエールの言葉を、ささやかであってもお送りしたいと願いつつ。